ゆとり世代のボッチが送るお気楽生活日記。

ぼっちの気まぐれ紀行

ゆとり世代のコミュ症が綴るお気楽日記

ハリネズミを飼い始めました。

先日の大雨で持てる水分を出し尽くしてしまったのか

空に燦々と輝く太陽が連日地面を照りつけている。

 

毎日のように35度近くまで気温が上昇するので

さすがに疲れてきた。

せめて夏っぽく海にでも行きたいものだが

今の所あいにく一緒に行ってくれるような人はいないので

当分は行く予定はない。

 

 

先週は特撮の展示会を観に行ったという記事を投稿したが

同じタイミングで妹が友達伝手でハリネズミをもらってきた。

見た目もさることながら怒らせるとサボテンのように一層刺々しくなるので

「サボ」という名前になった。

 

ハリネズミは夜行性らしいので

最初のうちは慣れていないせいもあってか家の中で寝てばかりいた。

初日は顔すら拝めなかった。

 

我が家に来てから3日目くらいになると

多少慣れてきたのか顔は見せてくれるようになり

なかば無理矢理ではあるが触らせてくれるようにもなった。

 

しかし、それから一週間近く経った現在をもってしても

何も変わってはいない。

ハリネズミと我々は殆どといって距離を詰められてはいなかった。

しかし、実質たった一週間で馴れ合うこと自体難しい気もするので

気長に構えておいたほうが得策なのかもしれない。

 

最初にも話したが

最近は気温が高く夜でも30度を越えている場合が多いので

クーラーを点けて寝ているのだが

そこにハリネズミも一緒に寝室に招き入れている。

夜行性なので、夜中にハリネズミは元気になり

人が寝ているのも構わずゴソゴソと動き回ることがある。

 

ある夜、彼は籠の縁を使って壁をよじ登り脱走した。

動きが速いわけでもないので、すぐに籠の中に戻されてしまったが

彼は諦めること無く何度も脱走を試みているようだった。

 

することがないから暇つぶしがてら抜け出そうとしているのか

本当に逃げ出したいと思って

そんなことをしているのかは分からなかったが

必死にもがく彼の姿をみると居た堪れない気持ちになった。

彼は籠の中に設置されたオモチャの車輪を使って脱走を試みていたのだが

彼の体に押されて、きいきいと軋む車輪の音さえも

悲痛な声を上げているように思えた。

 

幼稚な自己投影ではあるが、彼はまるで自分みたいだと思った。

もがいても、もがいても逃れられないその姿は

求人サイトを眺めては溜息ばかり吐いている最近の自分を思い起こさせた。

 

最初はハリネズミの籠には蓋が付いていなかったのだが

脱走するので付けられることになった。

それでもなお、脱走しようと無駄な努力を続ける彼を見ていると

なんだか、ものすごい無力感に襲われた。

 

自分にしても、今の状況から抜け出すことができるのか

とても不安に思った。

一瞬、ハリネズミの脱走の手助けをしてやろうかとも思ったが

手を貸したところで彼には行く場所があるように思えなかったので諦めた。

 

籠の外に出してやったところで、そんなのは無意味だし

仮に屋外、つまり自然に返してやったとしても到底

自力で生きていけるようにも思えなかった。

 

そんなことを布団のなかで考えていると

自分のことさえも、どこへ行っても変われないのではないかと

思ってしまったのである。

 

せめてハリネズミのように棘を尖らせ外界との接触を

積極的に絶てれば良いのだが

私にはその度胸すら持ち合わせてはいなかった。

 

今日、会社の営業部で飲み会が開催されていたが

多忙を理由に参加せず帰った。

もちろん多忙なんてのは嘘である。多分バレているだろう。

 

正直、月曜日に顔を出すのが億劫だ。

せめてハリネズミのように顔を伏せて自分の内に籠もっていたいものだが

それもまあ、無理だろう。

 

 

ハリネズミを飼い始めました。」なんて楽しそうな題を付けておきながら

なんとも陰鬱な記事になってしまったが

どちらにせよ、行動を起こさなければそのチャンスすら訪れない

と自分自身を鼓舞するしかない。

かなり弱気になりつつあるが前向きにやっていきたいものだ。

 

世間のしがらみに捕らわれて窮屈でつまらない生き方だけはしたくない。

自分の人生は自分だけのものなのだから。