ゆとり世代のボッチが送るお気楽生活日記。

ぼっちの気まぐれ紀行

ゆとり世代のコミュ症が綴るお気楽日記

「岸見の石風呂」に入浴体験してみた。

3月も半ばを過ぎたものの風が吹くとけっこう寒い。特に夜にもなると、それなりの防寒対策をする必要がある。

 

 

山口で一人暮らしを始めて、はや二週間。

時おり物悲しくはなるが、生活自体はある程度慣れてきたように思う。

 

2回目の週末となったこの休みも、先週に引き続き家具調達を行なった。

大方は揃っているものの、洗濯物を干すラックや録画デッキがなかったので、土曜日はそれらを探しにリサイクルショップと家電屋さんに出かけた。

 

本来ならキッチンラックも入手したいところではあったが、特に良いものが見つからず再び保留となった。

引き続きしばらくは、炊飯器に椅子を占領されることになりそうだ。

 

録画デッキは父親に助言をもらいつつ、テレビ外付けHDDを購入した。

先日、実家から使っていないDVDデッキを送ってもらったのだが、あいにく地デジ対応していない古いタイプで、使えないことが後日判明した。

「粗大ゴミに送料をかけてしまった」と酷く落胆していた母親には、少し申し訳なく思う。

 

何はともあれ、お陰でやっと自由に好きな番組を観られるようになった。これで、寂しい一人生活も多少は華やかになるんじゃないかと思う。

 

 

さて、話は日曜日。

従兄弟を誘って「岸見の石風呂」という所へ行ってみた。

 

つい先日、テレビのニュースで取り上げられているのを、チラッと観て少し気になっていた。

従兄弟も存在は知ってはいたものの、行ったことはないとのことだった。

 

 

昼前に家を出たので、石風呂に行く前にまずは昼食をとることにした。

 

入ったのは「卵かけご飯専門店」。

岸見の石風呂からもそう遠くない所にあって、従兄弟いわく、日本で一番最初にできた卵かけご飯専門店なのだそう。

 

日曜日の昼下がりということもあって、中にはかなりの人がいた。先に券売機で食券を買い(ドリンクセットで500円)、15分ほど待っているとカウンター席へと通された。

 

店内はあまり広いとは言えないが清潔感のある雰囲気。

店のすぐ隣にある養鶏場から直接、卵を仕入れているのだという。ちなみに、店内では卵製品の販売もしている。

 

 

さっそく実食。

味噌汁以外はお代わりし放題という太っ腹なシステム。とりあえず2杯平らげた。

物凄く美味しい、とまでは言わないものの、物珍しさもあって面白い体験ができたように思う。

 

醤油は卵かけご飯専用のものと地元のものの2種類があり、漬物も奈良漬やら沢庵やらがあって箸休めができる。

 

最近、従兄弟と話す機会が少なかったので、いろいろと話せたのも良かったと思う。

 

 

食事を済ませると、次こそ本命の「岸見の石風呂」へ。

事前にネットで調べてはみたものの、いまいち分かりづらかったので、従兄弟も「そもそも本当にやっているか疑問」みたいなことを言っていた。

 

そんな不安を抱えつつ、目的地付近を車で探索。

周囲を田んぼに囲まれた川沿いの道をしばらく進んでいくと、小高い山に登る坂道の少し先に人だかりを見つけた。

そして、その近くに「岸見の石風呂」と書かれた昇り旗も発見。

 

道の曲がり角の駐車場に車を停め、坂道を50メートルほど進むと、日本昔話に出てくるような茅葺きの家があった。

 

地元の人なのか年配の方が受付をしていて入浴料300円を支払うと、まずはこの石風呂を作った重源というお坊さんの像に参拝した。

 

話によると、東大寺建立の資材集めをしていたときに、村人が怪我や体調不良を引き起こしているのを見て重源さんが石風呂を作ったのだという。

岸見の石風呂のほかにも、近くにはいくつか石風呂があるようだった。

 

茅葺き小屋の中に入ってみると、そこには囲炉裏が。

ちゃんと使われているものを実際に見るのは、もしかしたら初めてかもしれない。

 

お目当ての石風呂は、その部屋の奥にあって、小さい扉をくぐって風呂釜の中に入る。

内部は決して広くはなく、5人が入れるかどうか。光も扉のガラス越しにしか入ってこないので中は真っ暗である。

天井も高いわけではないので、ハイハイしながら中へと入っていき、敷かれてある藁や毛布の上に寝転ぶといった感じだ。一応、座るくらいの高さはある。

 

朝に石風呂、もとい竃の中で火を焚いているらしく、その余熱で謂わばサウナを楽しむというわけだ。

ピザの気分になれる、と言うこともできるかもしれない。

 

入った当初は思ったほど暑くないという印象だったが、しばらく入っているとじんわりと汗ばんできて、しまいには汗がダラダラと流れてきた。

 

今回は一回しか入らなかったが、何度か繰り返し出入りしていたら、たしかに体内の毒素が出ていきそうな気がする。

 

石風呂で火を焚いてから4時間は経っているはずだが、壁に手を触れてみるとまだ熱くて、しばらく手を置いていたら火傷しそうなほどだった。

 

途中でおばちゃんが入ってきたので、世間話を交わしつつ石風呂を楽しんだ。

 

 

20分ほど入っているとさすがに暑くなってきたので外に出ると、スタッフの方たちがお茶を出してくれ、色々と話も聞かせてもらった。

 

そのスタッフたちはやはりボランティアらしく、受付で支払った料金も万が一に備えた保険料に過ぎないのだという。

 

あくまでボランティアなので、そう頻繁に開放できるわけでもなく、9月から3月までの月一でしかやっていないとのことだった。つまり、今年度は今回が最後というわけだ。

 

ちなみに、次回は重源の命日である7月14日らしい。その日は粥などの接待が出て、料金もタダなのだそうだ。

 

巷にサウナはいろいろあるが、歴史ある石風呂も悪くない。

夏にもまた来てみたいと思った。

 

少なくとも、無駄に高いチムジルバンに行くよりかはいいんじゃないかと思う。

 

それに、一万円払って予約をすれば、貸し切りもできるのだそうだ。囲炉裏を囲んでのBBQも可能だ。

 

誘う人も特に思いつかない自分にとっては実現は難しそうだが、かなり面白そうだと感じた。

 

話によると、午前中は焚きたてでかなり暑いので、ゆっくり入れる午後が一番いいそうだ。図らずもタイミングよく来られて良かった。

 

今回は使わなかったが、近くにはシャワーもあるらしく小さな川もある。夏に来ても気持ちよく入浴できそうだ。タオルやら着替えやらを持ってくる必要はあるが。

 

 

帰りの道中、久しぶりにバッティングセンターに寄った。たしか、小学生以来だろうか。

失敗しても恥ずかしくないようそんな言い訳、というか保険を従兄弟に対して前もって掛けてのだが、その選択は正しかった。

球技はもともと得意ではなかったとはいえ、全然バッドにボールが当たらなくて我ながらビビった。当たっても前にボールが飛びすらしない。

今更ながら運動センスの無さが露呈した。

 

それでも、久しぶりのバッティングは面白かった。いい汗かいた。

 

 

自分的には、石風呂はけっこう満足度の高い観光スポットだという印象を受けた。

地味に常連になるかもしれない。

我ながら良いところを見つけたと思う。