ゆとり世代のボッチが送るお気楽生活日記。

ぼっちの気まぐれ紀行

ゆとり世代のコミュ症が綴るお気楽日記

山口のネコ島、祝島に行ってみた。

暖かくなってくると、どこかへ遊びに行きたい欲が出てくる。

そんな思いを抱きながら、近場の面白そうな観光地をネット検索していると、祝島という小さな離島を見つけた。

 

祝島は上関町にあって、自分がいま住んでいる山口市からは少し遠い。船便もわりと少ないので、交通面においては不便な印象だ。

 

しかし、猫島という異名を持つほどに島内には猫がたくさんいるらしい。

特徴的な練塀や棚田もあるとのことなので、一度行ってみる価値はありそうだ。

名前的になんか、おめでたい感じがするし。

 

そこで以前、津和野へ一緒に行ったことのあるカメラ女子を誘って行ってみることにした。

ダメ元だったが意外にもスムーズに了承を得ることができた。

 

良かったー。断られたらちょっと泣いちゃうところだった。

 

祝島に上陸

祝島に行くには、柳生港または室津港から乗船するという大まかに2つのアクセス方法がある。

 

柳生港からだと帰りの便の都合上2時間しか祝島に滞在できないので、今回は室津港から乗船することにした。

 

室津港までは車で行ったのだが、助手席に女の子を乗せてドライブをするのは初めての経験。

なんだかドキドキするなあ。

 

そんなキモい考えを悟られないよう気をつけつつ、片道2時間の道のりを運転する。

 

彼女とは3か月ぶりに会ったので、道中お互いの近況を話したり、趣味の話なんかをした。

 

 

しかし、そんな風に浮かれ気分で運転していたせいか、室津港に着く頃には乗船時間ギリギリ。

 

車を停め駆け足で港へ向かい、なんとか船に乗り込むことができた。

乗船券を買う時間もなかったので、特別に船内で支払いを済ます。

…なんか、カッコ悪い感じになっちゃったな。

 

 

なんだか疲れたし、前日の夜もカラオケに行き体力を使っていたので船内で仮眠を取ることにした。

ドライブデートに浮かれる一方で、我ながら緊張感のないやつだなと思う。だって、眠かったんやもん。

 

 

片道40分程で祝島に到着。

うたた寝していたせいか、思いのほか早く着いた。

 

石積みの練塀

祝島に上陸すると、予想以上に寒風が吹き荒んでいた。

3月も中旬。ある程度暖かいと踏んでいたが、まあまあの寒さだ。

寒の戻りってやつかな。

 

とにもかくにも、港町を散策。

街は小さな離島にありがちな狭い路地で構成されており、平地は少なく坂が多い。

 

船着場で得た地図を片手に、ぐねぐね曲がりくねった路地を抜けまずは見晴らしのよい高台へと登ってみた。

うーん…なんとも言いづらい眺め。

 

場所を変えて、より良い映えスポットを探す。

 

しばらく歩いていると、寒桜を見つけた。風は相変わらず冷たいが、ほんの少し春の訪れを感じた。

 

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街を歩いていると、そこかしこで祝島独特の塀を見かける。

 

石と土や漆喰を固めた塀で、けっこう珍しいらしい。

Wikipediaによると、他の場所では韓国の済州島くらいにしか残っていないのだそうだ。

 

若干、南国風にも思えるこの練塀は本当に特徴的で、エキゾチックな雰囲気を街に漂わせている。

 

迷路のような分かりにくい路地も相まって、非日常さやファンタジーさを感じさせる。

 

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お目当てのネコは寒いせいか、あまり見つからない。

見つけたとしても警戒心が高く、すぐに逃げてしまう。

 

 

練塀の他にこれといった見どころを見つけられなかったので、近くの高台にあった神社や街中を意味もなくぶらついた。

そうこうしているうちに昼時になったので、「古泉」という食事処で昼食を取ることにした。

 

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ここにたどり着くまでが、また大変。

特に目印があるわけでもないので、なんかのダンジョンに迷い込んだのかってレベルで彷徨った。

 

何故か鍵がしまっていたのでベルを鳴らし店内に入ると、畳が敷いてある古民家風のお店だった。

 

店主もご年配の男性で、おじいちゃん家に来たようなノスタルジックな雰囲気だ。

 

窓際の席に座り、自分は「とりから甘酢あんかけ定食」を、カメラ女子は「とりのからあげ定食」を注文した。

 

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写真を撮り忘れたので、気づいた時に余っていた豆腐だけ撮影。

唐揚げは結構ボリューミーで、会計時に店主さんが「よく食べきったねえ」と言っていたので残してしまう人もいるのかもしれない。

 

ちなみに、写真の豆腐はカメラ女子が食べきれなかったもので、代わりに食べてあげた。

定食には豆腐のほかに味噌汁も付いていた。650円という料金も、量のわりにリーズナブルだ。

 

店先からは桜の木が植えられた庭を眺めることができた。

あいにくまだ咲いていなかったが、満開の時期にはきっと綺麗な光景を愛でながら食事を楽しめるんだろうと思う。

 

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平さんの石積み棚田

店を出るとネコがたくさん出てきた。

店で休んでいる間に、多少天候が回復したおかげかもしれない。

 

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少し怖がりなところもあるが、ゆっくり手を伸ばしてやるとネコらしく体を擦り付けてくる。

 

いままで、あまりネコとの接点がなかったので、いまいち触れ合い方が分からない。

家でネコを飼っているというカメラ女子に愛で方を教わりつつネコと戯れた。

 

 

しばらくネコと触れ合ったあと、港町から徒歩で1時間ほどの距離にある棚田に向かうことにした。

 

平田さんという方が親子で長年かけて作り上げた石垣の棚田らしく、祝島の観光名所の一つらしい。

 

車一台倒れるかどうかの狭い山道を通って、所々で風景を写真に収めていく。

 

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棚田は祝島の南側にあり、先ほどまでの北風は吹いて来ないので、一転穏やかな気候だ。

坂道もおおいので、少し汗ばんできた。

 

道は崖の上のような所を通っており、かなりの傾斜がある岸壁に沿ってビワの木がたくさん植えられている。

先ほどの港町を見た限り年配の方が多い印象を受けたのだが、これらの木を手入れするのは大変な作業だろうなと感じた。

 

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取り留めのない会話をカメラ女子としながら歩みを進めていると、ようやく棚田が見えてきた。

 

それまでの道中でも棚田は見かけていたので、それらを少しデカくしただけだろうと思っていたが、予想以上に大きかった。

もはや、城と言ってもいい。

 

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10メートル近い高さの石垣が山の斜面に沿うようにそびえ立っており、その中央部分に黒色の倉庫が建てられている。

近くに寄ると倉庫の外壁は表面は焼かれている。

強度を上げるためにわざとそうしているのだろう。

 

中を覗いてみてみると囲炉裏が設置されていた。

仕事終わりに茶を沸かして飲んだり暖を取っていたりしていたのかもしれない。

 

棚田の上からは瀬戸内海が見渡せ、のどかな雰囲気が辺りを包んでいる。

世の中の忙しない情報化社会から切り離されたような、のんびりとした時間が流れていた。

 

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しばらく写真を撮ったりぼんやりと景色を眺めて、港の集落に戻ることにした。

 

帰る途中、野性なのか放し飼いなのか山の中を彷徨いているチャボや、何の見せしめか木に吊り下げられているカラスを見つけた。

 

石豆腐を手に入れた。

港の集落に戻ってきた。

未だこちら側は北風が強く吹き、少し寒い。

 

乗船時間まで時間があったので、喫茶店に入り一服することにした。

 

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それぞれコーヒーやカフェラテを注文。

 

道中で散々カメラ女子と会話していたので、特に話す話題が見つからない。

机の上に据え置きしてあった絵本を見たりスマホを弄りつつ一言二言だけ話す状態を続けていると、店員さんが気を遣わせてか話し掛けてきた。

 

祝島の見所や名物について話を聞いたり逆に尋ねたりした。

基本的に自分は人見知りだが、話しかけられたら話せる方だ。相手が赤の他人ということもあるのかも知れないけど。

 

そのおかげで、「こっこう」という名のキウイの原種を焼酎に漬けた梅酒みたいなのを味見させてもらった。

けっこう美味しい。

 

 

近くに石豆腐というものを売っている店があるということなので、行ってみることにした。

 

石豆腐とは、にがりではなく海水で固めた豆腐で、木綿豆腐以上にガッチリとしているらしい。

その固さから、煮物に入れても煮崩れしないとのこと。

 

祝島の名物、石豆腐が買える店を喫茶店の店主に教えてもらい向かった。

 

売店は喫茶店の裏の筋にあり、町の商店って感じ。

気さくなおじさんが2人用に石豆腐を切り分けてくれた。

 

せっかく来たのだから、名物を土産として買って帰りたいしね。

おすすめの食べ方も教わった。

 

猫との戯れ…島を離れる

石豆腐を購入し、船着場に向かうべく海岸沿いの道を歩いていると猫がたくさんいた。

 

釣り人に慣れているせいだろうか。

今までの猫と比べると人懐っこい。

 

首もとを撫でてあげると、気持ちよさそうに目を細めている。

カメラ女子と2人で猫を撫でていると、自ずと穏やかな気持ちになっていく。

 

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最後の最後で、猫島らしいことをして船着場へと向かった。

名物の石豆腐を手に入れられたし大満足だ。

 

f:id:udzulla:20200322103033j:image船着場に鶴瓶と又吉のサインが飾られていた。

 

旅の終わりに

無事に室津港まで戻ってきた。

再び車で2時間をかけて、帰路につく。

 

カメラ女子もどちらかというと人見知りする方みたいなので、当初は表面的な印象だったが、さすがに素の状態で話してくれるようになったっぽい。

方言とかが所々に出てるし。

 

高校の時の変な先生の話なんかをしつつ笑い合った。

 

 

途中、長めのトンネルに入った時フロントガラスが曇り前が全く見えないというアクシデントがあった。

お互いかなりパニックになったが、吊り橋効果で何かが芽生えたとか芽生えなかったとか…。いや、ないやろな。たぶん。

 

特にほかに何かが起こることもなく、彼女の家の最寄駅まで送り届けてあげた。

 

よく分からんけど、これでいいんよね。

友達として遊びに行ったのだから、変な事を期待したり求めたりするのは違うんだろうし。

 

社交辞令かどうかは定かではないが、また行こうという話をして別れた。

 

 

まあ、今回の旅は普通に良かったと思う。

小さな島にしては、祝島は観光資源も名物も豊富な方だと感じた。

 

また来るかどうかは不明だが、都会での生活に疲れたときは落ち着きを取り戻すのにおすすめだ。

猫もいるし、いい意味で何も無いし、いわばセラピー島。

それが祝島だと、そう思った。

 

島の形もハート型してるらしいし、カップルが気まぐれに遊びに来るには良いのかも。

コンビニはないので、トイレが近い人や便利さを気にするひとは要注意ってことで。