ゆとり世代のボッチが送るお気楽生活日記。

ぼっちの気まぐれ紀行

ゆとり世代のコミュ症が綴るお気楽日記

一瞬だけ春が来たはなし。

人生で初めて彼女的な人ができた。

正式にお付き合い、というわけではなかったから「的な」という表現になってしまうわけなのだけれど、これは自分史上で未だかつてない出来事には違いない。

 

2023年の春の訪れとともにやってきた彼女との悲喜交々を少し書いてみる。

 

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彼女と出会ったのは昨年末だったように記憶している。

 

普段、遊びに通っている農園で家政婦さんとしてやってきた。

英語が上手な人だったので、最初は一緒に勉強したり教わったりして会話をしていた。

何回か話しているうちに仲良くなり、夜遅くまで薪ストーブを囲って話したり、秋吉台まで星を見にドライブしたりした。

 

平日は仕事があるので自分の家に帰っているのだけれど、会えないときもLINEを使って会話をしていた。一応、英語の勉強という名目だったので、英文を送り合っていた。

 

そんな日が続いたある日の夜、唐突に「I love you」と書かれたメッセージが送られてきた。

どういう意図なのだろうと思いつつ、深夜テンションで送ってしまったのかなと自分の中で処理することにした。

事実、翌朝には「変なメッセージを送ってしまって、すみません。忘れてください。」といった旨のLINEが届いたので、たまたま人恋しかったのかなーと思った。

もちろん、そうは言っても多少は意識してしまったけれど。

 

しばらく経ってから、彼女から「少しお話ししたいことがあるんで時間もらえますか?」と話しかけられた。

何の話だろうと思いつつ、期待半分くらいの気持ちで彼女についていくと、「好意があります」と伝えられた。

 

 

ついに自分の人生に春が来た!

飛び跳ねるほど嬉しい!!…とは、意外にもならなかった。

 

なんとなく勘づいていたせいもあるかもしれないけれど、そんなに自分は彼女のことを恋愛的な意味で好意があるわけではなかった。

それに、彼女は自分より10歳ほど年上だったので、それも関係したかもしれない。

 

けれど、そうは言っても断る理由もなかったので了承した。

彼女側の要望としても、付き合うというよりは、彼女が好きな時に「好きだ」という思いをこちらに伝えたいという謎な話だったので、それについて特に負担があるわけでもなくお好きにどうぞって感じになった。

 

 

自分が農園に向かうのは土日だけなので、会えるのは週に一回程度。

それでも、空いた時間に近所を一緒に散歩したりした。

向こうから手を繋ぎたいと言われた時は不慣れな経験すぎて、それだけで息子が元気になってしまった。

 

彼女はスキンシップが好きみたいで、キスやらハグやらをよくせがんできた。

こちらは、その辺りの耐性が全然ないので、最初の頃はずっとドギマギしていたのだけれど、何回もやっているうちに慣れてきた。

そんなことを繰り返しているうちに、どうやら自分はそういうスキンシップがあまり好きではないらしいということも分かってきた。

でも、嫌いではないから彼女が求める以上は受け入れた。

 

 

ある夜、一緒にドライブに行こうと誘われた。

彼女の運転する車で1時間ほど離れたビーチへと行き、少しセンシティブな会話をした。

そうやってお互いの精神的に弱い部分を晒しあったあと、自分の家に彼女が来ることになった。

 

最初は少し休憩するだけの話だったのだけれど、結局は泊まるという話になり一緒のベッドで寝ることになった。

 

男女が一緒の布団に入って素直にただ寝るだけのことがあるだろうか。

据え膳食わぬは男の恥、という言葉もある。そうして、お楽しみ会は始まった。

 

去年、風俗には行ったけれど、素人さんとやるのは初めての経験。

彼女への好意は未だ自分でもよく分からなかったけれど、欲には勝てなかった。

とはいえ、本番まではしなかった。

その後も数回ほど彼女は泊まりに来た。

 

 

しかし、そんな日々も長くは続かなかった。

告白されてから一か月ほどが経ち、彼女は農園の家から去ることになった。

どうも家主と上手くいかなかったらしい。

 

県外に出るとのことだったので、当然会う頻度は減る。

少し残念ではあったけれど仕方のないことだ。彼女にも、他にやりたいことがある様子だった。

 

彼女が山口を立つ前日、再び家に遊びに来た。

近所の付け麺屋さんで一緒にご飯を食べた後、家の風呂に入りベッドへ横になった。

 

会うのが最後になるかもしれなかったので、少しワガママを言った。

卒業させてください、と。

 

彼女はあまり乗り気ではなかったようだったけれど了承してくれた。

その日はお互い疲れていたので、わりとすぐに寝てしまったけれど、翌朝2回戦することになった。

 

 

昼には山口を出るとのことだったので、早めに家を出て少しドライブをした。

ちょうど桜が咲いていたので川岸に車を停め談笑した。

 

最後までキスやらハグやらを求めてくるので、あまり乗り気ではなかったけれど自分も次はもうないかもしれないと思い快諾した。

 

新幹線へと乗り込む彼女を見送った後も、しばらくはLINEでメッセージを送り合ったり電話したりした。

 

数週間が経ち、「これは嫌だ」「あれは嫌だ」とクレームを付けてくることが多くなった。彼女には色々とこだわりがあるらしかった。

前々から、そういう傾向はあったのだけれど、会う頻度が減ったせいで彼女にとっても思うところがあったらしい。

 

自分はあえて仲を違う必要性はないように思っていたので、いまの関係を維持する方向で考えていたのだけれど、彼女としては距離を置きたいらしかった。

 

半ばケンカ別れのようになってしまい、そんなこんなで自然消滅。

ひと月だけの春がこうして終わってしまった。

 

特に未練があるわけでもないのでダメージは当然ないわけだけれど、結局のところ彼女は何がしたかったのだろうとは思った。

彼女いわく、昔はメンヘラだったらしい。それを聞いて、なるほどなと思った。

その片鱗はいまも多分にある。

 

とはいえ、自分にとって大きな経験になったのも事実。

彼女が自分に思いを伝えてくれたこと、いろんな経験をさせてくれたことに感謝したい。