約束の消失と昔話。
昨日今日と友人に会う約束があったのだが、二件とも無くなってしまった。故に、なんとも言えない虚無感に襲われている。
なぜ二つもの約束が無くなったか。それについては、本日11/10の約束が結ばれた経緯について説明しなければならない。
今日会う予定だったのは中学時代の元クラスメイトだ。女子である。
彼女とどういう関係かというと「知合い以上友達未満」の関係だと自分は認識している。彼女は自分とは友人関係だと以前言ってくれていたが、いまだに「友達とは何か」という思春期的悩みを抱え続けている自分にとって、その判断は難しい。
彼女と知り合ったのは中学2年生の頃だ。かれこれ10年前の話になる。我ながら歳をとったなあ。
進級早々、席が近く同じ班になった縁で彼女とは話すようになった。
彼女はソフトボール部に入っていたこともあって、ボーイッシュで明るい性格の女子だった。隣の席の女子はバレーボール部だったが比較的おとなしい性格の女子で、3人でよく喋った。
ちなみに、自分は科学部という文化系クラブに所属していた。
しかし、いつまでも単純な仲良し3人組ということにはならなかった。
読者諸賢は「男女に友情は成立しえない」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
何度か話しているうち、自分の中に隣の女子に対して恋心が芽生えてしまっていることに気づいた。往々にして、どちらか一方が恋愛感情を抱いてしまった以上、友人関係は成立し得ない。
そして、斜め前の女子も幸か不幸か自分に対して恋心を抱いてしまったようだった。要するに、三角関係である。
そこからラブコメ展開が始まる…と面白かったのだが、そうはいかなかった。
結論から言うと、どの恋も実を結ぶことはなかった。
斜め前の女子には告白未遂されたし、バレンタインデーにはチョコも貰ったのだが、返事を曖昧にしたまま3年生へと進級してしまったので有耶無耶になった。
彼女のことは友達としては好きだったが、恋愛感情を抱くことはできなかった。彼女はあまりにボーイッシュ過ぎて好みのタイプではなかったからだ。何より隣の女子の方に好意を抱いていたので、彼女の思いに応えることはできなかった。
しかし、3年生に進級すると彼女の恋愛熱は冷めたのか話すこともなくなり、自然と友人関係も解けていった。
隣の席だった女子とは、幸い進級後も話す機会はあったのだが、結局想いを告げることなく卒業してしまった。
この点については、いまだに少し後悔している。
話は少し脱線するが、中3の時には他の女子からも好意を持たれたことがあった。その女子に対しても好意を抱けず距離を置いたので、結ばれることはなかったのだが、今思えばモテ期だったのかもしれない。
自業自得とは言え、全くもってモノにできていないのだが。
話を元に戻そう。
それから6年の歳月が経った2016年の冬。
大学3年生となった自分に対して、ある日フェイスブックへ連絡がきた。斜め前の席だったボーイッシュ女子からだった。
半年前にフェイスブックで作った自分のアカウントを見つけ、懐かしさから連絡をくれたようだった。
何度か連絡を取ったのち、実際に待ち合わせをして会いもした。皮肉にも、初のデート体験は彼女とすることになったわけだ。いまいちデートの定義は分からないが。
久々に話をすると、彼女は既に交際中の男性がいるようだった。特に残念という訳でもなかったのだが、連絡を取り始めて半年が経った時に、彼氏と同棲生活を始めるという話を聞いた。
彼氏の住む静岡付近に引っ越すとのことだったので、今後滅多に会うこともないだろうと思い送別会を開いた。もう二度と会うまいとすら思ったので、最後に握手を交わし別れた。
それから2年近く経った現在。
あの日から一度も会ってはいないが、互いの誕生日を祝いあう程度には連絡を取っていた。かろうじて、友人関係を繋ぎとめているといった感じだろうか。
しかし、先日彼女の誕生日だったので例に倣ってLINEメッセージを送ったところ、久しぶりに会う話になった。
約2年ぶりの再会…になるはずだった。
それが11/10だったのだが、結局は彼女に急用が入り延期ということになった。
少なからず楽しみにしていたので残念である。
しかし、彼女はこちらの仕事の話を聞きたがっていたので、結果的に良かったかもしれない。早々に退職してニート生活しているなんて話をしても、つまらないだけだ。
どうせなら、次の職場が決まって互いの良い近況を伝えあう方が良かろう。
さて。
もう一つの約束の相手は、高校時代の友人だ。先週、明石海峡大橋に登った時と同じ面子だ。
本来、彼らとは11/9に地元の駅周辺で開催されるバルに参加する約束だった。
しかし、勝手ながら自分はボーイッシュ女子との約束が無くなってしまったので11/10に変更できないかと提案してみた。結局、その提案は断られてしまい、何故か話の流れ的に今回は集まらないという結論に至った。
この件に関しては、完全に自業自得である。ただの自分勝手である。
以前の記事にも書いたが、彼らにはまだ退職したことを伝えていない。少なからず、そのことが今回の話が流れてしまった原因だと言えると思う。
別に9日に予定が入っていたわけでもないのだから、行くこと自体はできた。10日は諦めて、行くと言えば良かったのだ。
しかし、結局それを伝えることはできず、あくまで急用が入ったかのような素振りを見せた。
きっと何の役にも立たないプライドが邪魔してしまったのだろう。おそらく、事実を伝えたところで彼らは呆気なく受け入れるか聞き流すかしてくれるだろう。しかし、自分のつまらない矜持がそれを許さなかった。
平日の金曜日にノコノコと出て行って、ニートであることを疑われるのが怖いのだ。
悩みを聞いてもらえるせっかくの機会を失った自分は、しばらく一人で悩みを抱え込むことになる。悩みを共有したところで、何が変わるとも思えないのも事実だが。
そして、再び鬱モードに陥ってしまった自分は改めて問う。友達とは何なのか、と。